ビッグデータから熱中症を考える②-1
過去10年間の熱中症の年齢別搬送件数とWBGTとの関係、その1
はじめに
熱中症の搬送件数データには、年齢別および症状別の区分があります。年齢別で熱中症の搬送件数に差はあるのでしょうか?
高齢者の搬送件数は全体の約半数を占める!
過去10年間の熱中症の搬送件数の年齢別のグラフ(図1)を見ると、おおよそ半数が高齢者(満65歳以上)であることがわかります。
熱中症の搬送件数は各年でばらつきがありますが、2010年からの推移でみると、高齢者の搬送件数が全体に占める割合は増加傾向です(図2)。
一方、成人の搬送件数が全体に占める割合は、2010年〜2012年の3か年で42%、41%、40%で推移していましたが、2017年、2018年、2019年にはそれぞれ36%、37%、35%となっていることから、若干の減少傾向であると言えます。
図3は高齢者の搬送件数が、WBGT1℃の上昇につき前の1℃と比較してどの程度増減するかを示しています。この図を見ると、WBGTが30℃までは、最低でも前のWBGTと比較して1.5倍程度増加していることがわかります。
WBGTが20℃以下の場合を除き、22℃から23℃になった時と28℃から29℃に上昇した時に、前の1℃と比較して約2倍の増加が見られます。
このように搬送件数の増加程度が一時的に低下している背景には、WBGTが25℃〜28℃までの該当日数が、一時的に減少することと関係しているのかもしれません(図3、赤線)。
なぜなら、高齢者の搬送件数を各WBGTの該当日数で割った値が、全体での傾向と同様に、WBGT33℃まで上昇しているからです(図3、紫線)。
この結果は前回と同様に、熱中症の発生件数は、WBGTの高い日の日数とも深い関係があることを示しています。
(少年;満7歳以上18歳未満、成人;満18歳以上65歳未満、高齢者;満65歳以上)



【イメージ写真】
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https://www.photo-ac.com/main/detail/899912