予測の正確性と信頼関係
スポーツ選手を気象面でサポートする『スポーツ気象』において大事なことは、予測精度、すなわち正確性です。
スポーツ選手にとって『準備』は大事で、その大事な準備は予測情報を本に行います。つまりの大本となる予測情報、予測が当たるかどうかは、当然ながらとても大事です。
このため、予測情報の精度を上げるための努力は最優先で行っていますし、今後も最善の取り組みを実施し続けていきます。
一方で、予測精度と同等か、場合によっては予測精度以上に大事なことがあるとも考えています。
それは選手やチームとの『信頼関係』です。
いくら良い情報でも、信頼出来ない人からの情報は信じられません。
情報を信じて準備を行う選手やチームにとって、その情報に少しでも疑いがあり100%信じ切れないと、本当の意味で良い準備には繋がりません。
そこで、予測精度と同じくらい意識して取り組んでいることが『信頼関係の構築』です。
具体的には、競技を理解することや選手やチームスタッフと一緒にいる時間を少しでも多くすること、チームに帯同すること等があります。
つまりチームの一員になること、同じ目線で一緒に戦えるかどうか、ということです。
もうひとつ大事なことは、単に予測情報を提供するだけでなく、「選手目線」で情報を提供するということです。
例えば、「風の予報は、南風の5mです」という予測情報をどのように伝えるとより深く理解できるでしょうか?
もちろんこのままでも情報自体は正しいのですが、その伝え方も大事で、伝え方ひとつで理解度が変わってきます。
よく、現地に行った際に「南はどっち」ということが分からないことがあるという話を耳にします。
そういうアスリートにも分かり易く伝えるために、文字や数値だけでなく見せ方を工夫して、以下のように伝えています。
コースに対してどのあたりは向かい風で、どのあたりは横風なのか、等を分かり易く伝える
このように、同じ予測情報でも、選手目線で準備がし易くなるするための『伝え方』を心掛けること ”も” 大事で、こういった積み重ねが信頼関係の構築に繋がります。
こういったことを心かげる、大事にすることが「スポーツ気象」という新しい分野でチャレンジする際には大事なことであると考えて、選手をサポートしてきます。